Posted on 2018/08/08 by KAKUKI PROJECT

初心者向け。田舎暮らしの作法を学ぶクラブ活動「里山SUNDAYS」

各地で地域振興が進んでいます。
 
地域ならではの魅力を発信し、地域への移住・定住を促進し、カフェや工房、移住者に向けての情報発信場所として空き家になった古民家を利用した動きがみられるようになりました。
 
岐阜県揖斐川町。
揖斐川町は、人口はおよそ2万人で両白山地と伊吹山地の森林に囲まれた自然豊かな町です。
山麓の斜面をうまく利用した見事な茶畑で栽培されるお茶は、冬の寒さを越えて旨みが凝縮され、香り高く、揖斐茶ブランドとして有名です。
最近では、春日六合の上ヶ流(かみがれ)地区のお茶畑が、岐阜のマチュピチュと称され、観光地としても人気が高まっています。


上ヶ流(かみがれ)地区のお茶畑 出典:s.eximg.jp

ここ揖斐川町北方にある「星降る古民家」では、毎月第二日曜に、揖斐川の里山暮らしが体験できる「里山SUNDAYS」を開催しています。
 

 
里山暮らしでは、豊かな自然とゆったりとした時間のなかで、自分らしく生活できるのが魅力です。しかしそんな暮らしに憧れるものの、都会から急に田舎に移り住むには、不安がつきまといます。
 
里山SUNDAYSでは、揖斐川町で田舎暮らしを実践する嵯峨先生(森林文化アカデミーで山村のコミュニティデザインなどを教えている)をはじめとして、揖斐川町の坂内地区の区長を務め、地区の事情に精通した田中さんや森林文化アカデミーでキノコ栽培を勉強した森本さんら面白い面々が運営するヤマノカゼ舎がサポーターとなり、一緒に田舎暮らしを体験することができます。
 

星降る古民家。今後、保存食カフェをやりたいと計画中です。
 
里山に住むということは、自然に近い分、自然の圧力に向き合わなければいけません。
夏はすごい勢いで草木がのびるので除草しないといけなかったり。
シカやイノシシなどの獣害から作物を守らないといけなかったり。
日本一をとるほどの猛暑や、2mも積もることがある厳寒をしのいだり。

そんな里山暮らしを月一回のワークショップで大変さを知り、里山暮らしの免疫をつけることができます。
ワークショップでは、古民家の改修とその企画や、地域の伝統的な保存食や里山で採れた山草やきのこの料理を勉強、生け垣の草刈り、竹林や畑の整備や生産活動に挑戦します。汗をかいてみんなでワイワイと取り組めば、楽しいものです。
また、外部から講師を招いてグループワーク形式で話し合いも行い、会場の古民家をワークフィールドとして、古民家の活用方法を真剣に考えます。
 

|里山SUNDAYSに参加してきました。
 
8月5日(日)に第4回目のワークショップが行われました。
この日は、ここ一番の暑さ。
外仕事もしないといけないので、みなに無理がない中で以下に取り組みました。
 
メニュー
1)畑の草刈りと耕し。
2)そばの種をまく。
3)6月の回でつけた梅シロップで暑さしのぎ
4)地元で捕れたシカのお肉と山ウド、そうめんかぼちゃでお昼ご飯
5)講師森本さんによる舞茸栽培講座
 
暑さがピークになる前にと、畑にそばを蒔くために、まず畑の草刈をして、耕します。
 

 
会社員をしていると、現代社会の暮らしに馴染んでしまい、自然とのかかわりとはかけ離れたところで、草刈りだとか畑作りとかなんてしなくてよかったりします。
 
私も草刈り機のエンジンのかけ方が分からなかったり、作業する姿勢が安定せず、草の根元を切らず上の方を切ってしまったり。あまりの不器用さに、心配そうな視線を感じましたが、みなさんのアドバイスを良く聞いて、なんとか草刈りできました。
 
耕した畑に蒔くのはそばの種。

 
赤い花が咲く珍しいそばの種と、よくある白い花が咲く種の2種類を蒔きます。
赤い花のそばはヒマラヤの高地で栽培された種を日本用に品種改良して生まれたもので、寒冷地や高地で育ちやすい品種です。

 
このそばは、旧徳山村の近くで栽培しているそうです。ダムに沈んだ旧徳山村は特別豪雪地帯で、冬は非常に厳しい気候ですが、そばにはいい気候条件で、赤い花を見事に咲かせ、おいしいそばの実をつけます。
 
今の時期に蒔いたものは、花が咲く時期にそこまでの寒さになっていないそうですが、それでも花は咲いて実をつけてくれるそうなので、これからの成長が楽しみです。
  
  
ご存じでしょうか。全国各地にこうした獣害に悩む地域が多くあります。
シカやイノシシたちの繁殖は天敵となるオオカミが絶滅したことが原因です。
被害を抑えて作物を安心して育てることができる環境づくりのために、作物を保護する工夫をしたり、ジビエ料理としていただくことも食物連鎖において重要な役割です。そうした背景もあり、狩猟の免許をとる若い人が増えていると聞きます。
  
ということで、お昼にはシカ肉のローストを丼にしていただきます!
ジビエ肉の販売しているにお願いして、地区の捌き場で、捌いてもらったもので、シンプルにローストしただけでしたが、わさび醤油につけていただいて、臭みのないおいしい赤身肉で驚きました。獣肉は臭いとよく言いますが、その良し悪しは捌き方の良し悪しによります。素早く血抜きできるかどうかで美味しさの質が決まります。
 

 
その他、春にとれた山ウドを塩漬けして保存しておいた、山ウドの和え物。
そうめん南瓜の三杯酢和えをいただきました。スーパーにはない地元の山菜野菜で、食べたことがありませんでしたが、美味しく、地物のよさを知ることができました。
 
外仕事で疲れた体に、梅のシロップを水で割っていただきました。
6月に収穫した梅を氷砂糖につけて寝かせたもので、氷砂糖はすっかり溶け、濃厚な梅シロップになっていました。
 

 
梅は、クエン酸やミネラルが豊富で、疲労回復や整腸作用などの効果があり、夏の暑さや外仕事で疲れた体にはとてもおすすめです。梅シロップならお好みの濃さに調整することもできるし、自分でつけたものは、またより一層おいしく、最高の一杯を作ることができます。
 
 
舞茸講座では、プランターの中で菌床を終えたほだぎを土に植えたものを見せてもらいました。

 
舞茸の菌は雑菌に弱く、菌を植えて根付くまでの間は、消毒したハウスなどの無菌室で管理しなければいけないので、神経を使います。ほだぎにはコナラがよく、長期栽培に向きます。菌床になったほだぎは土に植え、直射日光から守るために遮光ネットをかぶせます。あとは土の表面が乾かない程度に、定期的に水をあげ、秋の収穫を待ちます。
 
舞茸の収穫は一本毎に一株しか生えません。ただし、一度収穫できるようになると、向こう5年は収穫することができます。
かかる費用も少なく、ハウスなどの購入で、最初に30万くらい。
菌種はアマゾンで、その他専用の袋などの資材を購入して、100株分くらいで1万円。
あとは土地とほだぎになる木があれば、舞茸農家になれます。
今回のプランターで育てる試みをしていて、プランターでできれば、どのご家庭でも採れたての舞茸が食べられちゃいます。
収穫の時期は、9月の末から10月の頭にかけての1週間です。ヒダの縁が白くなると収穫の合図です。それがすぎると傘がひらいてうまみがなくなってしまうので注意が必要です。やっぱり採れたての舞茸は別格だそうで、今から収穫が楽しみです。
 
 
|地域で暮らす
 
「地域で暮らす」ことが、地域振興になり、地域の文化を継承することになります。
日本はその土地土地のミニマムな視点に立つと、地域それぞれの特色があることに気が付きます。それは、かつてから日本が地方分権やムラ制度、オイエ制度といった小さい規模での統治があり、しっかりと文化が継承されてきたからなんだろうと思います。
しかし今、人口減少による地域の過疎化が急速に進行しており、こうしたローカル文化や地域産業は受け継がれにくくなっています。
里山DANDAYSなどの取り組みを通じて、日本ならではの文化を知ることは大事なことです。出来れば暮らしを受け継ぎ次世代に渡して、地域の文化や産業を守ることで、日本再興につながることを願います。
 
里山SUNDAYSは、2019年2月まで毎月1回のワークショップを行います。
最新情報やワークショップの様子はfacebookで配信しています。
ご興味あるかたは、ぜひ下記に問い合わせしてみてください。
 
FB:https://www.facebook.com/%E9%87%8C%E5%B1%B1sundays-391200838060034/
 
里山SUNDAYSチラシ(開催情報・問い合わせ先):
https://www.forest.ac.jp/wp-content/uploads/2018/05/2018%E9%87%8C%E5%B1%B1SUNDAYS%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.pdf
 
 
里山SUNDAYSは、(一社)ヤマノカゼ舎が岐阜県立森林文化アカデミー「森と木のオープンカレッジ」と連携し、岐阜県の「移住促進団体活動推進事業」の委託を受けて実施するものです。
 
岐阜県では、人口減少社会においても地域が活力を保ち続けるため、平成27年度から5年間で6000人の移住者を呼び込むことを掲げ、移住定住対策に取り組んでいます。