2018年 12月 のアーカイブ

Posted on 2018/12/03 by KAKUKI PROJECT

古民家集団移住!愛知県内の各スポットで生まれるシェアする空き家

古民家飲食店BUCHIに行って来ました。下町の町屋のレトロな雰囲気が残る、飲食店です。

外観(参考:http://stabelog.comaichiA2301A23011323064795dtlphotolst4smp2
 
|BUCHIとは
 
BUCHIは愛知県名古屋市西区栄生にあります。
東枇杷島駅から徒歩5分と言う駅近の立地で、夕方には帰宅中の学生さん、夜にはサラリーマンと老若男女問わず、誰もがふらりと立寄れる親しみの持てるお店です。
筆者は西尾産の和紅茶をその場で点てていただきましたが、時々のこだわりのドリンクや、ソフトクリーム、カレーや定食、アルコールなど、いただけるメニューも、安くてとても美味しいです。

コロッケ定食(参考:https://tabelog.com/aichi/A2301/A230113/23064795/dtlrvwlst/COND-0/smp1/?lc=0&rvw_part=all
 
いつも、人が賑わうこのお店、実はまだ創業1年の新しくできたお店です。それにも関わらず、いつも賑わっています。集客に成功したのは、駅が近いという立地だけではなく、様々な仕掛けがありました。
 
このBUCHIは、以前は空き家でした。駅が近く、駅の利用者も多いですが、その周辺は人寄りのあまりしないただ通過するだけの場所でした。当然学生さんが気軽に立寄るお店もありませんでした。
 
そこで考えたのが、たこ焼き屋のようなテイクアウトも出来る飲食店です。近隣との積極的なコミュニケーションをはかれるように、道に面して窓口を設けて、帰宅中の学生や近隣の方などに、積極的に声をかけて、近隣に溶け込む努力をしたのだそうです。
 
 
|人がにぎわう場所づくりを手がける集団「On-Co」
  
この場所で、商いをしかけたのが、「クリエイティブ集団On-Co」です。On-Coは、地域での人の集まりをつくりたいと、空き家を改修して、シェアハウスやシェアスペース、店舗を運営しています。シェアハウスのはじまりのはじまりは、吉原旭人さんが見つけた長屋からでした。音楽をやっていた吉原さんは、音の出せる不動産を探して苦労していました。そんな中、吉原さんは現在のシェアハウス「LONGROOF」に出会います。長屋で、築70年、5戸のうち3戸は長く誰も住んでいない物件でした。しかし、名古屋駅から徒歩15分、すぐ横には電車が走る立地で、「ここならは好きに音を出せる。」と吉原さんは心を弾ませます。そこで近隣の方に話を聞き、大家さんを訪ね、借りたいと申し出ます。最初は吉原さんを不審に思っていた大家さんも、交渉を重ねていくうちに吉原さんの熱意に応えてくれたのでした。大家にとって困ることは、賃貸として貸すために大きな改修費を負担しなければいけないということ。そこで、改修は、吉原さん側が行うという条件で、この長屋を借りることになりました。初めは、2人でルームシェアしていたのですが、音楽仲間など友人も多い吉原さんのつながりで、最終的には15人が入れ替わりで生活を共同する場所になっていきました。
  
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
参考:LIFULL HOMES PRESS
名古屋駅近く、築70年の長屋で男女6人が暮らす“村”があった!!
 
 吉原さんをきっかけに、自然発生的に「LONGROOF}で築いた、面白い人たちの集まりや、改修のノウハウを生かし、「クリエイティブ集団 On-Co」を立ち上げます。人のつながりというのは面白いもので、LONGLOOFの大家さんのつながりで、ある空き家を借りることになります。それが今のBUCHIです。現況引渡し、リフォーム自由、現況復旧なしとして、そうして安い賃料で借りました。
 On-Coは、水谷岳史さん、藤田恭兵さん、シェアハウスの住人らで活動しています。店舗の内装工事では、業者の力を借りずに、シェアハウスの住人らと関係者だけで内装工事をしました。水谷さんは、家業が庭師です。底で培った現場仕事の知識を活かして、内装工事を進めます。できるだけ、解体せず、産業廃棄物を出さない工夫をします。例えば土間。
 
内観(https://tabelog.com/aichi/A2301/A230113/23064795/dtlphotolst/3/smp2/
 
元々は住宅で床下は、基礎がなく、昔ながらの束石だったため、土でした。土足で上がる店舗では、足元は土間コンを打ちたいところですが、そうすると基礎屋が必要になったり、残土の処分が発生したりとします。そこで、三和土(たたき)仕上げをします。必要な材料は、土と石灰とにがり。混ぜて叩いて硬くする、古来からある仕上げです。コンクリートの原型とも言われます。手に入りやすい材料だけで作れるのがいいところです。悪い所と言えばとにかく手間がかかる。ひたすらたたきで固めて行くのはかなりの肉体労働です。
しかし、そこはうまくコミュニティを活用します。古民家改修に参加したいコミュニティをつくり、みんなで工事をシェアし、時間をかけながら行うことで、その労力が改修の楽しみとなります。
 
最初こそ、改修のための材料や、工事でイニシャルコストがかかりますが、そこを極力自分たちでやって抑えてしまえば、あとは少ない家賃で、お店を始める事ができます。固定費の負担が少ない分、お店のメニューの質を高めたり、集客の為の広告費にお金をかけたりすることができます。また、減価償却費が少ない分、お店の売り上げ目標も無理することなく、その分余白を作ってお店を良くしていく為の時間やお金に当てる事ができるという大きなメリットがあります。
 
水谷さんらが仕掛けるコミュニティは、BUCHIの店舗だけではありません。
地方で空き家になっている物件を歩いてリサーチし、よい物件の家主さんに貸してくれないかと直接交渉をしました。粘り強く、何のために空き家を活用したいのかを説明し、そうして協力してくれる大家さんと出会うことが出来たのです。他に8件のシェアハウス・シェアスペースを持っています。それらの運営や広報活動を藤田恭兵さんが中心となって行っています。
最近手に入れたシェアハウスは、奥三河の東栄町にある空き家です。かなり空き家率が進行した過疎地で、空き家を使わせて欲しいと家主と交渉したところ、なんと無償で譲り受ける事になったのでした。これからシェアハウスとして生まれ変わるため、リノベーションされていきます。
 
 
 
|シェアハウスでの暮らしって?
 
水谷さんらが運営されているシェアハウスは、家族が住んでいた普通の家なので、よくあるワンルーム賃貸のような個人の空間はありません。みんな同じ玄関から入って、居間やお風呂、トイレなども共有になります。プライベートが暴かれるようで嫌だと思うかもしれない環境ですが、入居する人たちは、個人事業や作家など、フリーワーカーが多いのが特長。だから、普段はひとりで仕事しているけれど、シェアハウスに帰っての家族団らんの様なひとときに、安心を感じたり、助け合っての生活に感謝をしたり、異業種同士、将来の話をしてそこに起業や新規事業のヒントを見つけたり、お互いの存在が必要となることが多くあるようです。

(「村フェス」を開催。シェアハウスの元住人、仲間たちのおかげで大盛況!楽しいコミュニティが生まれています。)
  
シェアハウスを地方で運営して行くには、持続可能であるかと言うことが重要となります。いくら過疎地域といっても、小さな集落ほどムラ制度があり、よそ者を嫌う傾向にあります。その地域で、若い人が流入して来て、そこで定着できるかどうかは、住民たちとの上手いコミュニティー形成が不可欠です。過疎地域の高齢化率は非常に高いです。高齢になってできなくなってしまった家のお守りを、引き受けて、住民との交流、そこで信頼関係を築いていきます。例えば2018年はとても台風が多い年となりました。瓦屋根が飛ばされたり、飛んで来たもので破損したりというお宅もあったようです。しかし、大きな修理は労力もお金もかけられず、困っていました。そこで瓦の修理を手伝いをします。そうした地域住民同士の相互扶助の関係を少しずつ築いていき、若者が入ってきやすい流れを作っていくのです。
 
水谷さんらのシェアハウスでは面白い試みがいくつかされています。
例えば、家賃制度。
全てのシェアハウスの家賃は4万円です。ただし、シェアハウスでの生活などで、役に立つ仕事をすると、最大で2万円の家賃を値引いてくれます。どんな仕事をすればいいかは、各自の判断に任せられ、働き量も自己申告になります。もともと、この賃貸では固定費が安いため、家賃もタダでもいいと言います。しかし、シェアハウス継続の為には事業資金として家賃収入を貯めておく必要もありますし、次の新しい事業のための開業資金も必要です。だからタダにはしない。その代わりに、家賃代わりの仕事をしてくれれば、家賃を安くして上げるよ、という発想なんだそうです。これが上手く運営されるかどうかはまだ試し始めで分かりませんが、借りる側貸す側にとって両者共に利益のある話であるなら、結果が面白い事になりそうだなと感じました。
 
面白いことを考える人間が集まって、面白いことを考えると、ワクワクする経済に変えられることを教えてもらった気がします。
 
皆さんは生まれた地域に、不満を言っていないでしょうか?だけど、あなたが不満だと思っていたことが、外の人から見たらものすごく魅力だったりします。それが魅力だと褒めてもらえた時、故郷が誇らしく、愛しく思えるのではないでしょうか。住みやすいまちづくりというのは、そうやって地道に「地域の魅力を分かち合っていく」「分かち合える賑わいを作っていく」ことなんだろうと思いました。空き家は今後増えていく一方です。空き家・空き地を有効活用して、「クリエイティブ集団On-Co」のように賑わいの場をつくることが新しい社会資産を生み出していくのだと教えてもらいました。
  
【店舗情報】
古民家飲食店「BUCHI」ブチ
〒451-0052 愛知県名古屋市西区栄生3丁目21−2
営業時間 11:30~21:00 月曜、火曜日定休(※定休日には立ち飲み居酒屋さんを始めます!)
 
\BUCHIからのHOTNEWS/
BUCHIの店舗を借りて、BUCHIのお休み、営業時間外に立ち飲み居酒屋が始まります!
12月はプレOPEN!1月に本格OPENだそうですよ♪
 
【クリエイティブ集団 On-Co】
On-Coとは?
https://www.on-co.co/
On-Coのシェアハウスとは?
>https://www.sharehouse-nagoya.com/
活動はfacebookをチェック!
https://www.facebook.com/On-Co-354537294583176/
代表   水谷岳史さん 
運営広報   藤田恭兵さん
飲食統括 黒野英二さん 
 
ご存じですか?「改正都市再生特別措置法」 
空き家は増加の一途、すでに家の所有者が不明となり、空き家対策に手が打たれず放置された迷惑空き家も増えています。
 
対策として、国土交通省から「改正都市再生特別措置法」が平成30年7月15日に施行されました。この法律では、「低未利用土地権利設定等促進計画」制度を創設するなど、都市機能誘導区域と居住誘導区域を中心に、都市のスポンジ化対策が総合的に盛り込まれました。これらは人口減少による都市の内部で空き地・空き家の低未利用地が時間・空間的にランダムで発生する「都市のスポンジ化」が進行を防ぎ、生活利便性の低下、治安・景観の悪化、地域の魅力が失われる障害から守ることが目的です。

未利用地の活用方法について、平成30年11月20日に区画整理活用ガイドラインが公表されました。
コンパクトシティの形成を推進するため、都市のスポンジ化対策の新たな制度である「空間再編賑わい創出事業」など小規模で柔軟な土地区画整理事業の活用が示されています。
クリエイティブ集団On-Coのように、空き家を賑わいの場に変えていくことは、市民活動から生まれます。行政や不動産などの民間企業に任せていては、町に住む人にとって本当に住みやすい町にはなりません。町民を巻き込んで、地元に愛される町は、子どもたちにとってもまた帰りたくなる故郷です。そこに面白い人が面白い生業をしていたら、帰ってきてまた一世代を築いてくれるのかもしれません。
まちづくりを自分ごととして、活動に参加することから、そうした賑わいの一歩になるのではないでしょうか。
 

詳しくは下記、国土交通省プレスリリースをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/common/001262195.pdf